声の異常の検査
間接喉頭鏡という鏡や内視鏡を用いて、声帯を観察します。
内視鏡検査は声帯の形や動きをくわしく調べることができ、さらに実際の発声の様子も観察することができるため、非常に有用な検査です。
声のかすれ・声のだしにくさ
発声するために、我々は“のどぼとけ”の軟骨に囲まれた部位に存在する左右の声帯を振動させることで声のもととなる音を作っています。
そして声帯を振動させつつ、口やのどの形を変化させることで言葉としての声を出しています。このため声帯の振動に異常を生じる場合に声がかすれたり、声がだしにくくなったりします。
音声は重要なコミュニケーション手段の一つであるため、声がかすれたり、声が出しにくくなった場合には日常生活だけでなく、仕事にも悪影響を及ぼす場合があります。
間接喉頭鏡という鏡や内視鏡を用いて、声帯を観察します。
内視鏡検査は声帯の形や動きをくわしく調べることができ、さらに実際の発声の様子も観察することができるため、非常に有用な検査です。
声の不調をきたす原因は様々ですが、声帯の形・硬さの異常と声帯の動きの異常に分けることができます。
風邪をひいた際に声がかすれたり、声が全くでなくなったりすることがあります。その際には声帯に炎症が生じ、声帯の腫れにより声帯が振動しにくくなっています。
この場合には炎症を抑える薬を投与しますが、声の使用を控えることが重要です。
声帯の一部がはれたり、声帯全体がむくんで声がかすれている状態です。くわしくは声帯ポリープ・声帯結節・ポリープ様声帯のページをご覧ください。
年齢とともに声帯はやせて細くなる傾向があります。
この声帯のやせが強くなると、発声時に左右声帯の間に隙間が生じ、かすれた声になります。
声帯にがんができることがあり、声帯がん(喉頭がん)と呼ばれます。多くは喫煙が原因となります。
発見が遅れれば声を失う手術が必要になりますが、早期に発見できれば放射線治療などにより声を失わずに治療することができます。
このため声のかすれがつづく場合には耳鼻咽喉科を早期に受診することが望まれます。
発声時には声帯を振動させるため、我々は無意識に左右の声帯を内側に移動させています。
この声帯の動きに異常を生じると、声のかすれや出しにくさが出現します。
片側または両側の声帯の動きが麻痺することにより、弱々しいかすれた声になります。
声帯の周囲に腫瘍ができたり、声帯を動かす神経の異常が原因となります。
声帯を動かす神経は脳→頸部→胸部→頸部という経路で走っているため、肺がんや食道がん、胸部大動脈瘤などが原因で声帯が麻痺することがあります。
このため声帯の麻痺を認めた場合には内視鏡検査とともに、胸部を含めたCT撮影を行います。
発声時に首の筋肉が過緊張状態となることで、声がだしづらくなる状態です。
声帯炎や精神的ストレスなどがきっかけとなることが多いです。
治療としては発声時の筋肉の使い方を含め、発声方法を改善させるためにリハビリを行います。
発声に関わる筋肉の痙攣様の異常運動によって、発声中に声のつまりや途切れ・震えを生じます。この障害に対しては声のリハビリは無効です。
筋肉の痙攣を止めるためのボツリヌス毒素(ボトックス)注射や、声のつまり・途切れが起こりにくいようなのどの構造にかえる手術を行います。
精神的ストレスがきっかけで、声帯をうまく動かせなくなった状態で、声がほぼでなくなる場合もあります。