のどの違和感
のどの違和感
のど(咽頭)の異常感の原因は、局所的要因(80%)、全身的要因(15%)、精神的要因(5%)に分けられます。
のどや頸部などのある部位の異常のため、のどの違和感が生じることがあります。
中でも胃酸の逆流が原因となることが最も多く、咽喉頭酸逆流症と呼ばれます。
逆流性食道炎と同じ状態ですが胃カメラで逆流性食道炎の所見がなくても咽喉頭酸逆流症である場合があり、診断と治療をかねて胃酸分泌を抑制する薬を開始します。
また食生活や生活習慣も原因となるため、これらの改善点の説明も行います。
また、のどでのアレルギー反応によりのどの違和感を生じる場合があり、この状態は喉頭アレルギーと呼ばれます。たとえば花粉症の方の半分程度でのどの違和感が生じるとされています。
鼻水などの鼻の症状がなくのどの違和感のみが出現する場合もあり、その際には抗アレルギー薬による治療を行います。
甲状腺腫瘍や慢性甲状腺炎(橋本病)の方の初期症状がのどの違和感であることもあり、頸部エコーや血液検査をお勧めする場合もあります。
その他頸椎の骨の突出(骨棘)がのどの違和感を引き起こすことがあります。また稀ですが、喉頭がんや咽頭がん、良性腫瘍などの腫瘍が原因である場合もあります。
鉄欠乏性貧血がある場合、舌の痛み(舌炎)やのどの違和感(嚥下困難感)をきたす場合があります。
また加齢などにより唾液分泌が低下し口腔内が乾燥した場合にものどの違和感を生じることがあります。
のどに違和感があるものの、のどや頸部、全身などに明らかな原因を認めないことは多くあり、「咽喉頭異常感症」と呼ばれます。
漢方薬投与により症状が改善することもありますが、症状が持続する場合もあります。
はっきりした原因がなくてものどに違和感を感じることは少なくありませんが、悪性腫瘍が原因であることが稀ながら存在するため、のどの違和感が持続する場合には一度耳鼻咽喉科による内視鏡検査などの検査を行うことをお勧めします。